【ラノベ】響け!ユーフォニアム 波乱の第二楽章

2年生編にあたる2巻。



以下アニメ版との違い。
2年生編に関しては尺の都合上による再編がかなり多いため、そういうものとして見る必要があります。


  • 小日向夢

原作に一年生のもう一人のキャラとして登場する小日向夢はアニメ版では出てきません。
厳密にはモブとしてワンカットツーカット出てきますがそれだけです。
アニメ版では最初新入生の奏が吹奏楽部をちらっと見に来るシーンがありますが、あれは原作では小日向夢の行動です。
その他、小日向夢に関する部分は一切カットされています。

ただ、実際問題小日向夢に関しては原作でも消化不良で、あまりうまく掘り下げて描写されているとはいい難かったです。(描写自体はそれなりにありますが)
よって、尺の都合がなかったとしても、ここはカットしてよかったと思います。

 

  • 源ちゃん先生

月永であることはアニメ版でも語られていますが、この源ちゃん先生、明工の元顧問です。
1年生編で明工が「顧問が代わったので弱くなってるかも」と評されるシーンがありますが、あの代わる前の顧問。

  • 龍聖学園

アニメ版では昨年に関して「可もなく不可もなく」程度の評価でしたが、原作だと去年は府大会銅賞だとまで書かれていました。
府大会銅賞が顧問が代わるといきなり全国出場できるもんなのか?と思いたくなりますがそれ去年の北宇治(笑)
関係して、今年は大阪東照が代表落ちしていますが、去年の秀塔の時のような落ちた理由、みたいなのは描写されていませんでした。
エクスキューズはなく、実力で負けた、という扱いのようです。

  • 月永求

上のような外堀に関する部分はともかく、求がなぜ龍聖を去り、名字で呼ばれることを嫌がるか、それに関しては原作でも特に触れられていませんでした。
これに関しては短編集の方で触れられるのかも。

  • みぞれ

表紙にもある通り、みぞれは黒髪です。
というか原作だとほとんどのキャラが黒髪として書かれているんですよね。
アニメの逆輸入を受けて髪の色が代わった優子は特例ですが、彼女も元は黒髪でした。


みぞれがピアノを引くシーンがアニメ中あり、「ピアノも上手なんですね」と梨々花から称賛されますが、アニメではそれだけの描写に終わっていますが、まずあれは音大を受けるための試験においてピアノ演奏があるのでその練習をしていた、ということのようです。
さらに、ピアノも上手いことに関して、みぞれはグランドピアノが自分の家にあるそうです。オーボエ(高い)も自前であり、みぞれはお嬢様である可能性があり。

  • 希美

アニメ版の名シーンだと個人的に思っている、新山先生に音大を受ける相談をするシーンは原作にはなし。

  • みぞれ希美関係

アニメではみぞれ→希美はMAXとしても希美→みぞれもそれなりに親密度が高い結末になりましたが、原作では「数ある友達の中の一人」という、特別性もなにもない描写に終止しています。(嫌いなわけではないよ、好きではあるよ。程度)


大好きのハグをみぞれから希美に求めて(1回目)希美に拒否されるシーンがありますが、原作にはなし。
むしろみぞれは大好きのハグが嫌い派でした。中学時代(流行ってた時代)に希美とすらしなかった、とのこと。
しかしそれをすることで希美にもっと早く気持ちを伝えておくべきだったと反省していて、最期のクライマックスの希美とのやり取りでは原作でも大好きのハグを求めています。
希美はそれに普通に応じますが、素直には応じなかったアニメ版とそこは少し違います。(少しの違いですがとても大きな違いです)

  • みぞれ希美問題

この問題に関して優子夏紀が絡んでくるシーン(優子が「あんたどれだけみぞれを振り回せば」と怒りかけて夏紀がたしなめ、「好きだからって全部話すわけじゃないもんね」と希美の気持ちを理解しフォローするシーン)はありません。
そしてみぞれの相談相手も希美の相談相手も全て久美子になっており、みぞれの本気オーボエのあとの希美を追いかけてのみぞれと希美の会話のシーンも最初にそれをした役は久美子でした。(最終的にはみぞれと希美二人で話し合います)


ここに象徴されていますが、原作は久美子視点で描かなければいけないという制約が悪い方向に働いていて、久美子の見えていない部分の行動は描くことができないため全ての会話が久美子を経由してしまいます。
しかし響け!は吹奏楽部のたくさんの部員たちのそれぞれの物語を描く作品であるため、久美子に関係ない物語もある。
しかしそれを描くことができないため無理やり久美子が間に入ってくる。
この縛りがもたらす損失は大きいことが、その縛りを完全になくし、むしろ久美子を出番自体カットするほど排除することでみぞれと希美の物語を描いたアニメ版と比べることで強く感じました。


描きたい物語とそれを描くための手法がマッチしてないんじゃないでしょうか。
それが響け!原作に関する一番の問題点だと思います。

  • 梨々花

アニメではぽやぽや系の天然キャラのような印象を受けますが、原作ではそれは打算として分かってやってる(本人も自覚してる)という設定になってます。
奏でと並ぶ2大キャラ作り――は言い過ぎですが、自分を上手く演じ振る舞えるタイプ。原作の言葉を借りると、「自分の可愛さをうまく利用できるタイプ」。
そして原作では奏でと並ぶ1年生の中の中心人物のようです。人望があり友だちが多い描写。


またその結果、奏でと梨々花は双方向に最も仲が良い相手となっており、昼食などでもパートメンバーで集まって食べてる低音の中に梨々花が単独で混ざっています。
梨々花のように友だちが多く身の振り方が上手な娘は自分のパートのメンバーとも普通に仲良く食事できると思いますが、それでもあえてわざわざ単独で別パートに来るほど、奏とは仲良し。

  • 加部ちゃん先輩

原作では病気のためプレイヤーの立場を退かなければいけなかったメンバー、という描写までで終わってますが、原作ではその先がむしろ本番で、マネージャーとして非常に優秀かつ尽力して北宇治の吹奏楽部の成功に大きく貢献した人物として描かれています。
その面で一番扱われているのはもちろん部長の優子と副部長の夏紀ですが、それと同格なくらい友惠の存在は大きく描かれています。


友惠の貢献により大きな負担を自分一人で抱えすぎる傾向にあった優子がかなり負担軽減され、そして翌年の組織において部長副部長の2人だけでは回しきれないので3人目の役職を設ける、という流れに繋がっています。


友惠は原作を読むと評価が大きく上がるキャラだと思います。

  • 奏夏紀

オーディションでの手抜き事件のあと、久美子と夏紀が奏でと話すシーン、アニメ版だと夏紀が詰問してしまい久美子は「ここは私に行かせてください」と奏でのもとに走り、そこで一大会話シーンが展開されますが、原作ではこれはありません。
3人の話し合いの時点で一通り解決し、仲直りしています。


そしてその後奏夏紀の距離が縮まり仲が良くなるのですが、原作では奏が口を開けば丁寧口調で嫌味煽りをするのに夏紀が反応するという形での仲の良さを築いています。(優子と夏紀の仲の良さに似ています)


が、アニメ版では奏での説得(説教?)が久美子だけの仕事になっていて、そのせいで夏紀と仲直りする描写がありません。
最後にハッピーアイスクリームのシーンで仲良くなったことは描かれていますが、唐突であり奏と夏紀の関係性に関してはあまり描けていません。

  • ハッピーアイスクリーム

アニメ版2本両方で出てくるハッピーアイスクリームですが、原作には一切なく、アニメオリジナルのようです。

  • 水着

プールに行くシーンで久美子と麗奈が色違いのお揃いの水着を着ていますが、実際揃えて買ったことが原作で描かれています。
なお麗奈のプロポーションで似合う水着が久美子だと・・・という部分でかなり悩んだそうです(笑)

  • サンフェス

衣装自体は(毎年新しく作るため)多少変わるのですが、原作では1年生編のときと同じく青のジャケットを着ています。
アニメでは全く別の衣装に描き換えられています。

  • OG

府大会に応援に来たのが晴香と葵、関西大会に応援に来たのがあすかと香織。
なお、あすかが久美子に渡す絵葉書に関しては、原作でも何なのか説明はありませんでした。
(「ほんまに困ったら、一回だけ助けたげる」というセリフが唯一アニメでカットされたセリフとして存在し、そこから推測することしかできません)
これに関しても短編集の方で言及があるのかも。

  • バスの席順

パートごとに隣になるように決めたそうです。
ちなみに割り振ったのは友惠。


全てを確認できませんが、アニメ版で確認できるのが

    • 久美子 奏(ユーフォニアム)
    • みぞれ 梨々花(オーボエ)
    • 友惠 三年生の誰か
    • さつき 美麗(チューバ)
    • 梨子 葉月(チューバ) ※ちなみに卓也は遥か後ろの方で補助席(笑)
    • 麗奈 緑輝 ※これは恐らく作品の制作の関係上の配置

アニメでは確認できませんが原作にて

  • 優子 夏紀(部長副部長)


ちなみに原作ではこの描写は府大会の行きのバスのもの。
行きのバスではパートごとに近いほうが色々話し合いやすくて良いとの判断とのこと。

  • 結果発表

これはアニメ版であれ?と思った部分。
「北宇治高等学校 ゴールド金賞」
と聞き、麗奈が安心したように久美子により掛かるシーンがあるのですが、その後すぐに
「続きまして(中略)全国大会に出場する」
と代表の読み上げアナウンスがあった時、麗奈が嬉しそうな顔で顔をあげます。


ここの一連が麗奈らしくないなと違和感を感じました。
麗奈だと、金賞で一瞬は喜んだとしても、代表の発表の時に「これが本番」と気を引き締めるのではないでしょうか。


実際、原作では金賞発表の際に一旦麗奈は久美子に抱きつきますが(アニメと同じ)その後代表発表に移行した際、緊張感をあらわにします。(麗奈に限らず全生徒が同じ)

  • 大会後

原作では大会後、に関してもある程度描かれています。
そこでの優子の意思表明と行動、それは部を背負い全国大会金賞に責任を負ったものにふさわしいものでした。
ここはアニメでは全く描かれていない部分であり、是非原作を読んで欲しい。
優子の部長としてのかっこいいシーンはここを読まずしては味わえません。

  • 新体制

久美子が部長であることはアニメでも描かれていますが(以下ネタバレ反転)副部長は秀一、そして新役職としてドラムメジャーに麗奈という体制になっています。
この新体制についてですが、久美子が部長なのは主人公であるので既定路線でありまた誰が一番ふさわしいかを検討する余地(意味)もありませんが、自分なりに久美子が部長だとして、副部長は誰が適任なんだろうとは考えてみました。
(以下反転)個人的に個人としてリーディング役に最も適した娘は緑であると思っていました。アニメ以上に、原作を読むとよりその色が濃いですが、緑は人間関係や人の気持ち部分において非常に気遣いと察しを持っていて、他人を思いやれる。その上で本人のキャラがポジティブであり、非常にハートも強い娘で全体を引っ張っていけそう。一見優しいメルヘンキャラのようで、叱る時は叱る、言う時は言うタイプでもあります。さらに、北宇治の部長において技術面のレベルはあまり求めてこられませんでしたが、緑はエース級の腕前の持ち主です。先代の副部長のあすかが人間的にも演奏技術的にも優れていたからこそ部長の晴香以上に分を引っ張っていたことを考えると技術面のレベルはあった方が有利ではある。
ただし欠点として、特に響け!の三年生編に入るにあたってのかなり大きな問題として、全国大会金賞をそこまで重視していない、実力主義結果重視の部活にあまり賛成していないことがあります。この一点において、やはり作品上副部長は適任でないのかもしれません。

  • 秀一との関係解消

アニメでは関西大会に向けて「コンクールとか受験とかいろいろなことがあるからそれらを同時にうまくこなせない」という理由で関係を一時解消していますが、原作ではコンクールも終わり、久美子が部長に任命されることが確定した際に、「これから部長をやるにあたってそっちに専念したいから」という理由になっています。(タイミング自体も違う)
原作の方がポジティブで納得しやすい理由かもしれません。久美子のプレッシャーと本気度が伝わります。