【ラノベ】響け!ユーフォニアム2

2巻読了。


1冊だけで一通りの話を入れざるを得ない1巻に比べて2巻では猶予を得てじっくりテーマを描いています。
この巻は希美みぞれ問題の巻。


流石に原作は描写が詳細で、アニメ版だと「??」となった部分が色々解決します。
以下アニメ版との違い。

  • 「あすかの許可が欲しい」の意味

アニメ中だとなぜあすかが希美の再入部を拒否したかは描かれているものの、よく振り返るとなぜ希美はあすかの許可が欲しかったのか、に関しては語られていませんでした。(あすか先輩は特別だから、というだけで理由の説明はなく、またなぜ特別なのかの理由もなし)
アニメを見ていてそこがずっと謎だったのですが、原作で理由描写があります。
希美は退部する際、あすかに引き止められるのですが、そこのやり取りの中で「もし復帰したいとか言ってもその時希美が入ることが部にマイナスになるなら拒否する」と言っており、それに対して希美が「じゃああすか先輩に許可もらうまで復帰しません」と答えています。
これがその理由。

  • なぜ夏紀は希美の再入部を支援しているのか

これも詳細な理由描写がありました。
夏紀にとっても希美が「憧れ」だったようです。その上で、希美が退部問題で苦しんでる時に何もしてあげられなかった罪滅ぼしがしたかった、と語っています。

  • 希美とみぞれの接触はコンクール前日

アニメだとだいぶ前に「接触事件」が発生し、そこからみぞれの演奏が改善されて橋本その他に「すごくよくなった!」と言われて本番を迎えますが、原作だと前日に事件が起きてます。
これは流石に前日事件からの仲直り→当日だと間近すぎるのでアニメ版のいい改変だと思いました。

  • 「何もしてない。だから怒ってるの!」の意味

ここもアニメだけだと「??」となる部分で、
「何もしてない。けど怒ってるの!」
なら希美は悪くないし何もしてないけど、みぞれにとってはよくないことだったから怒ってる、みたいな意味になるかと思います。
が、実際のセリフは
「何もしてない。だから怒ってるの!」
となっており、「だから」の意味が分かっていませんでした。


ここは原作の台詞をそのまま引用すると
「何かしたから怒ってるんとちゃう、なんもせえへんかったから怒ってるんや!」
となっているのですが、その意味は
「ちゃんと追いかけろや、ぼっと突っ立ってないで! それが友達だろ」
という意味で怒ったと描写されていました。
恐らくこの台詞シーンの印象はアニメと原作で結構変わると思います。
(というかそもそもアニメ版では追っかけようとする希美を掴んで制止するのが優子なわけで、恐らくアニメスタッフが意図的に台詞の意味を変えた)

  • 優子は黒髪(!)

地の文で明確に「黒髪」と書かれています。
ただ、原作小説はアニメからの逆影響をかなり受けていて、アニメが放映されたあとに出た続巻の表紙では茶髪に変更されてます。

響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話 (宝島社文庫)

響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話 (宝島社文庫)

  • 作者:武田 綾乃
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2018/04/05
  • メディア: 文庫


  • 希美は退部後、地元の社会人吹奏楽団体に属している

楽器から離れていたわけではないようです。
退部して演奏していないはずの希美が今でも上手なのはそれが理由。

  • 優子と夏紀の仲良しぶり

原作ではアニメ版以上にかなり絡んでます(笑)

  • 去年の部の状態は顧問に大きく起因する

アニメ版だと去年の顧問に関しては一切話にも出てきませんが、原作ではかなり語られていて、去年があの状態であったことの大きな原因に、顧問が「楽しく音楽できればいいの、コンクールの成績とか求めないの」というスタンスであったことがあるようです。
生徒がやる気がなかったというより、顧問自体がやる気のない指導者で、さらに実力や練習姿勢に関係なく年功序列でメンバーを選んでいくのも顧問の方針のよう。

  • 強豪校の元ネタ校

立華=京都橘、は有名として
大阪東照=大阪桐蔭
明静工科=淀川工科と明浄学院が混ざってる?
秀塔大学附属=東海大付属仰星? 近畿大学付属?

  • 明工が「顧問が代わって弱くなってるかも」と言ったのは緑

「誰だよ、顧問が代わって下手になってるって言ってたやつは」という台詞がアニメでもありますが、原作だと犯人?は緑でした。
(一応フォローしておくと、緑は3強が強すぎる関西大会において、主にチームを鼓舞する目的で自分たちの勝てる可能性を模索するために「顧問が代わったから弱くなってる可能性がある」と言っただけで弱くなってると断言はしてません)

  • 三強が破れた(=北宇治が代表に生き残った)のは秀塔のミスのおかげ

アニメの感想の時にも書きましたが、北宇治がなぜ関西三強を押しのけて代表に選ばれたのか。
一つに百回に一回という奇跡的な成功演奏ができたこともありますが、もう一つ、三強のうちの1校、秀塔がソロでミスをしたことが関係しています。
そのソロパートは本来3年生の別のエースが演奏担当していましたが、腕に怪我をしてしまい急遽数日前に2年生の別の生徒に変更。
結果そのミスに繋がったようです。