【アニメ】響け!ユーフォニアム

響け!ユーフォニアム 1 [Blu-ray]

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・・・・・・これは名作かもしれない。ハマった。



京アニの作品は何本も観ていますが、その作品は「作画はすごいけどストーリーは・・・」という印象がずっとありました。
この作品も作画はさすがの京アニで、ハルヒ時代の「作画技術が高いアニメスタジオは京アニだけ」時代を過ぎて今や他のスタジオも作画技術が高くなっている現在においてもやはり一歩抜けた作画。
難しい動きやアングルをアニメで再現する技術だけでなく一枚絵として可愛い表情を描くのが上手いんですよね。


しかしこの作品の一番良かったところはストーリーでした。
この作品は原作付きであり、これは京アニの功績ではなく原作者に対する評価とすべきところですが、これは物語ではなくドキュメンタリーだと思った。


この作品にハマったために吹奏楽にも興味を持ち、色々と調べました。
そこで知った吹奏楽部の現実、リアリティ、そういったものを「華やかな表舞台とそれを支える過酷な練習」だけでなく闇の部分、「部員間での諍い」「(人数制限があるため)選考が行われることにおける確執」「顧問の強権と独裁」などについてもかなりリアリティを込めて描かれています。
この作品は吹奏楽部を観てて楽しい範囲で描くだけのアニメではありません。スポ根ものとして努力の部分を描くだけのアニメでもありません。
軽く見るだけではともすれば気づきにくい細かい部分に吹奏楽部の「暗い現実」の部分がリアルに描かれている。
その入れ方が昼ドラのように露骨にどろどろに入れられているわけではないからこそ気づく人は気づく、という形であくまでエンターテイメントであることは外さないようにしつつも、気づく人からすると純粋に「いいなぁ」と思うだけではない作品になっている。


原作者がこの物語を描くにあたってしっかりとした下調べをしたことがよく伺えました。
原作者はおそらく吹奏楽部を華やかな世界として描きたかったわけではない。その現実を描きたかったんだと思う。
それを踏まえてみるとこの作品を見ていて「青春っていいなぁ」「努力って美しい」以外の感情が視聴者の中に生じてくる。
なので思いました。これは物語ではなくドキュメンタリーだと。



とてもハマったので借りた時は一気に借りた分全話観てしまいましたし、2も既に届くの待ちです。楽しみじゃ!

リアリティだなぁと感じた部分

※これから書くことはしょせんネットで調べただけの知識であり私が「本当の現実」を知っているわけではありません。


ブラック部活が問題になり運動部に関しては国から指針が出たほどですが(守られてるかは別として)、運動部でない吹奏楽部はその対象から外れるため現在も残るその最大のもののようです。


作中主人公が「上手くなりたいという熱病に侵された」といった感じのセリフを言いますが、あれはスポ根モノとして上手くなりたい!(感動)という話ではないのです。
全国の吹奏楽部が全てそうなわけではないのですが、こと金賞、全国出場などの強豪校になると、勉強も何も投げ捨てて生活を吹奏楽全振りに強いられる世界のようです。
勉強したくない云々ではなく物理的にする時間がない。勉強する時間どころか寝る時間すらないほどであり勉強どころではない。
吹奏楽全国強豪の淀工は(淀工はもともと進学校ではないこともありますが)学外時間に勉強時間がないだけでなく、授業時間すら(吹奏楽の練習のため削られた分を補うために)寝るためだけの時間になっているそうです。


実際お姉さんと対比する形でそれとなく描いていますが、あれは
「勉強や進学をかなぐり捨てて(将来につながらない、しょせんは部活であり趣味である)吹奏楽に人生を捧げ棒に振ってしまう覚悟をしてしまった」
という意味なのです。


幼馴染の先輩が「吹奏楽を捨てて受験を取った」ことも描かれていますが、あれを吹奏楽から逃げた――とまでは行かなくとも戦いの舞台から降りた敗北者として捉えると現実を外します。
あれは逆に「趣味に全てを捧げず冷静に人生として正しい選択をした本来であれば正しい存在」なのです。


あのセリフのシーンは私から見ると感動シーンではなく怖くなるシーンでしたね。


顧問の強権、独裁についても全ての学校がそうだとは言いませんがそういう人が多いのが音楽の世界のようです。
この作品の顧問は決して独裁者ではないですが、片鱗はチラホラと描かれています。(自分が絶対であり自分が命令する立場であり自分に従わないとキレるなど)
あれを「厳しく指導している先生」とだけ捉えるとやはり現実を外します。
(繰り返しますが片鱗に現実を入れようとしているだけで、あくまで作品として嫌な顧問、とはならないように調整されてはいます)


部内のいじめ問題も大所帯だけに酷いようで、場合によっては顧問の先生まで加担して平然と特定の人物を攻撃したりとかがあるそうです。
特に辞めた人間に対しては共通の敵という位置づけにし徹底的に攻撃するそう。
作中去年の先輩の問題が描かれたり、いじめとか無視とかやめてねと懸命にお願いする先輩も登場しましたが、あれも吹奏楽部においてはそれ以外に対し高い比率で存在する問題を正面から描いたものでした。
まあいじめってあるよね、学校の問題としてあるよね、という枠を超えて吹奏楽部は特に酷いそうです。



そういう暗い部分は実際の下調べを元に、あくまでエンターテイメントであることは外さない範囲でリアリティとして入れているのがこの作品だと思いました。



暗い話はここまでにして別のこと。



吹奏楽部は女子部員が多く場合によっては女子校のこともあるためか、百合的な要素はいかにも二次元美少女アニメだよねという定番要素ではなく現実にあるらしいです。
「○○先輩だー!」「きゃー」みたいなのはリアルだそうです(笑)



サブメンバーがチーム名を付けたり(淀工ではレギュラーメンバーを「星組」と言うがそこから外れた人たちが自分たちで「流れ星」というチーム名?をつけている)、レギュラーメンバーに本番前に一人ひとりにお手製の贈り物をする(京都橘での慣例(京都橘ではサブメンバーではなく3年生がそれをするのですが))は実際にある行為のようです。



生徒自身が選出する形のオーディションはこれも淀工で実際に行われています。
この作品のように普通に露骨に選出させるとどうしても音ではなく人を見て投票してしまうので(実際作中も結局それぞれの応援者しか拍手してなかった)、淀工では後ろを向いて誰が演奏しているかは分からなくした上で投票するシステムを取っています。



あと全く無関係でしょうが、ヒロインの一人、トランペットのソロを担当する「れいな」というと、京都橘の「れえな」を思い浮かべました。(2年生でソロパートを担当したトランペットの上手い生徒)
ちなみにそのれえなとドラムメジャー(リーダーみたいなもの)の優衣の間で(緊張をほぐすための意味合いで)「優衣の目を見て。私も見るから。それで一緒に吹こう」といういかにも百合っぽいセリフが交わされています(笑)
(原作の出版時期とれえなの現役時期かられえなのの方がれいなからついたあだ名?)