【GTS】 N300のパワーバランス アプデ後版

アプデ後のN300の車のパワーバランスを再調査。
↓前回書いたのと同じ注意事項

コースは鈴鹿、タイヤはSS、セッティングはギアとデフ以外はデフォルトのままで、数周走って出たタイム、という条件で計測しました。
その条件のため、セッティングをいじりしっかり走り込みをして出るその車の最高パフォーマンスというわけではありません。
クラスは「元々のクラス」という意味です。その車をN300のBoPにした場合のスペック及びタイムです。
タイムは2'xxのxxの部分だけ記載しています。誤差を多く含む情報のため、あえてコンマ秒の部分はカットしました。四捨五入形式なので33秒=32.5〜33.4秒だと思ってください。またそのため、33秒同士の車は同じタイムというわけでもなければ、33秒と34秒には1秒の差があるわけでもありません。

新T=アプデ後のタイム、旧T=アプデ前のタイム、T差=タイム差、です。



■N100

クルマ 新T 旧T T差 駆動 馬力 車重 PWR
ロードスター 31 40 9 FR 281 1178 4.19
S-FR 29 39 10 FR 271 1081 3.98

■N200

クルマ 新T 旧T T差 駆動 馬力 車重 PWR
4C 28 32 4 MR 265 1159 4.37
ミト 32 40 8 FF 294 1339 4.55
DS3 30 37 7 FF 281 1165 4.14
アテンザ 32 36 4 4WD 301 1632 5.42
208 Gti 30 39 9 FF 282 1200 4.25
RCZ 28 31 3 FF 300 1485 4.95
クリオ 30 39 9 FF 301 1344 4.46
86 GRMN 26 34 8 FR 299 1220 4.08
86 GT 29 36 7 FR 299 1230 4.11
ゴルフ 30 37 7 FF 299 1445 4.83

■N300

クルマ 新T 旧T T差 駆動 馬力 車重 PWR
TTS 30 32 2 4WD 260 1440 5.53
フォーカス 28 34 6 FF 285 1315 4.61
シビック 27 32 5 FF 301 1324 4.39
ジェネシス 30 33 3 FR 292 1494 5.11
ランエボ 30 33 3 4WD 302 1560 5.16
メガーヌ 28 33 5 FF 273 1248 4.57
WRX 30 33 3 4WD 291 1639 5.63

■N400

クルマ 新T 旧T T差 駆動 馬力 車重 PWR
V8 27 29 2 FR 318 1400 4.4
M4 25 27 2 FR 302 1347 4.46
マスタング 27 29 2 FR 321 1428 4.44
A45 28 31 3 4WD 302 1337 4.42
S-FR RC 24 30 6 FR 276 1311 4.75

全体の傾向

全体の傾向として、低グリップだった車ほど大きくそれが改善されている傾向にあります。
タイヤのグリップ自体は当然同じなので、それはつまりメカニカルグリップが低かった車ほど大きくメカニカルグリップが上がっている。
カニカルグリップが高かった車は全く変更なしかというとそういうわけではなくそちらもグリップ向上が見られますが、その向上幅は元のメカニカルグリップが低い車ほど大きい


元々20点だった車は50点まで大幅にアップしているけど、元々60点だった車は70点までしか上がっていない、そんな印象です。


今回の挙動改善で「86のトラクションが酷かったのがそこに手が入っているのか」という視点で見る人もいるかと思いますが、そうではなく全体的なメカニカルグリップが上がっているという方向になっています。
リアのメカニカルグリップが上がったので当然トラクションも良くなっていますが、トラクションの関係ないコーナリングでもフロントのメカニカルグリップが上がっている恩恵を受けています。
また、踏んでいない状態でのリアのスライド(オーバー/巻き込み)も抑えられています。


また、もう一つの傾向として、レース用にチューニングされた車のグリップの改善が大きくなっているというのもあります。
これに該当するのが86GRMNとS-FR RC。
これについては後述。

カニカルグリップの向上

感触として、挙動のシミュレーションを変更したというより、あくまで低すぎるグリップになった時に一律ある程度の量まで上げてくれるという手の入れ方のように感じます。
挙動が新しくなったという感触はありません。ただ単にグリップが上がった。
唯一挙動として感じたのは、86GTやロードスターをデフォ足で乗った人は鈴鹿のヘアピン立ち上がりで散々遭遇していると思いますが、ごく低速域における旋回で旋回後にアイスバーンのようにリアが滑り、回り続けるという挙動がかなり抑えられている印象はあります。
テールをスライドして曲がったらそのまま滑り続ける、ではなく、滑らせずに曲がっているのに最後に異常に巻き込み始めるあれです。
また同じく、ハンドルを切りすぎた場合にオーバーを起こす「ペナルティ」が軽減されるように補正されているようにも思います。

クラス比較と駆動形式比較

前述のとおり低グリップの車ほど大きな改善を受けているので、N100の車ほど大きなタイムアップをし、N400の車はあまりタイムアップがないという結果になっています。
同じ理由により、元々コーナリングに優れていた4WD群は、あまりタイムが改善されていません。
言い換えればグリップの低さに泣いていたFR、FFが大幅にタイムアップをする結果になっています。

BoP

結果どういうことが起こるかというと、元々コーナーが苦手だった車ほどタイムが大幅に上がっているという傾向が出ています。


元々BoPは各車のコーナリング力を加味して、コーナーに優れる車は馬力を落とし、劣る車には馬力を与えると調整されていました。
しかしそのBoPは据え置きのまま、コーナーが苦手だった車のコーナリング力だけを上げてしまったので、結果として元コーナーが遅かった車ほど速くなってしまい、バランス調整が崩壊しています

86とロードスター

クルマ 新T 旧T T差 駆動 馬力 車重 PWR
ロードスター 31 40 9 FR 281 1178 4.19
86 GT 29 36 7 FR 299 1230 4.11

これにより大きく躍進したのが86です。
元々直線速かった車が安定性を得た結果、86GTはN300のマシンと競っても遜色ないタイムを出せるマシンに。


同じくかつてはN300最遅マシンという位置づけだったロードスターも普通に戦えてしまうマシンに。
不安定性に関しては、この2台については全くなくなったとはいえない程度になっています。
それでも前を思えばかなりマシ。他の車と比べてまだ技術がいる側の車ではありますが、前ほどの難易度はありません。そしてタイムが出る。

86GRMNとS-FR FC

クルマ 新T 旧T T差 駆動 馬力 車重 PWR
86 GRMN 26 34 8 FR 299 1220 4.08
S-FR RC 24 30 6 FR 276 1311 4.75

全体の傾向として「低グリップだった車ほど大きくそれが改善されている」「レース用にチューニングされた車のグリップの改善が大きくなっている」という2つがあることを述べました。
ところで、この2つを両方満たしている車が1台ありませんか?
そう、86GRMNです。


86GRMNは今回、一躍無双車に躍り出ています。
なんと、今やコーナーでもTTSを凌駕するという大躍進。
コーナーも速いのにストレートは言わずもがななので、速すぎたN400のマシンとすら対等に渡り合えるかそれ以上という速さになっています。


同じくレースチューンされた車であるS-FR RC。
N400のマシンは軒並みタイムアップが2秒程度に抑えられている中、この車だけ6秒の大向上。
結果この車はM4を抑えて、N300レギュ最速マシンの座を獲得してしまいました。


この車のグリップは凄まじいです。ちゃんと素体がよくてメカニカルグリップがある他のN400の車たちを、しかしさらに抑えて一段上のグリップ。
お陰でこの車は暴力的な乗り方ができてしまいそれでも速く走ってくれるので、タイムを出すのが非常に簡単な車になっています。
速いけどその分難しい、ではなく、速いけどその速さを出すのが簡単、な車が最速マシンであるため、オンでこの車を出してこられたら基本的に誰でも無双できます。

4WD

クルマ 新T 旧T T差 駆動 馬力 車重 PWR
TTS 30 32 2 4WD 260 1440 5.53
ランエボ 30 33 3 4WD 302 1560 5.16
WRX 30 33 3 4WD 291 1639 5.63

元々コーナーが得意な車ばかりだったN300の4WD群、タイムアップは非常に控えめです。
今でもコーナーは速いのですが、BoPにより下げられた馬力がそのまま響く形になり、かつては無双車側であったTTSも一気に相対的に凋落。

クリオとRCZ

クルマ 新T 旧T T差 駆動 馬力 車重 PWR
RCZ 28 31 3 FF 300 1485 4.95
クリオ 30 39 9 FF 301 1344 4.46

「低グリップだった車ほど大きくそれが改善されている」という傾向を書きましたが、それを表しているのがこの2台の比較。
N300の4WDなどを見ると「それって単に駆動形式の違いでグリップアップの恩恵が違うだけなんじゃないの?」という疑問を持たれるかもしれませんが、そうではないということを示す好例です。
同じN200出身、同じFF、同じフロントヘビーのこの2台において、RCZはメカニカルグリップがある、クリオはない、という違いがアプデ前の違いでした。
そしてそれを反映するように、クリオは大躍進する中、RCZは4WDやN400マシン(=メカニカルグリップがある車)と同じくタイム向上が抑えられています。

86とジェネシス

クルマ 新T 旧T T差 駆動 馬力 車重 PWR
S-FR 29 39 10 FR 271 1081 3.98
86 GT 29 36 7 FR 299 1230 4.11
ジェネシス 30 33 3 FR 292 1494 5.11

同じことはジェネシスにも言え、N100および200のFRは全て低グリップな車であったのですが、ジェネシスは比較的グリップ自体はある車でした。
結果として、N100および200のFRは大きくタイムアップする中、ジェネシスは3秒の更新にとどまっています。

4C

クルマ 新T 旧T T差 駆動 馬力 車重 PWR
4C 28 32 4 MR 265 1159 4.37

面白い結果であったのが4C。
この車は唯一、今回のアプデで不安定性が増した車、になっています。
タイムが出ることは変わっていませんが、難易度が上がった。


これに関して考えられる違いは、この車がMRであることです。
N300にできる車の中でMRなのがこの車しかないので簡単には判断できませんが、もしかしたら新挙動ではMRに関しては難しくなっているのかもしれません。

無双車ランキング

クルマ 新T 旧T T差 駆動 馬力 車重 PWR
S-FR RC 24 30 6 FR 276 1311 4.75
M4 25 27 2 FR 302 1347 4.46
86 GRMN 26 34 8 FR 299 1220 4.08

前述の通り、M4を抑えてS-FR RCが一躍トップに躍り出ました。
そしてこのランキングに86GRMNが入る時が来ようとは誰が予想したでしょうか(笑)

空気読み車ランキング

クルマ 新T 旧T T差 駆動 馬力 車重 PWR
アテンザ 32 36 4 4WD 301 1632 5.42
ミト 32 40 8 FF 294 1339 4.55
ロードスター 31 40 9 FR 281 1178 4.19

タイムアップの恩恵を受けられない4WD、の煽りを大きく受けてアテンザがミトと並ぶ最遅マシンに。
そして大躍進したとは言え、依然として最下位グループではあるロードスター

最後に(公式への要望)

車のパフォーマンスを変えた以上、BoPの再調整をしてください。


昔の事情によって設定したBoPはもはや機能していません。結構これ急務だと思います。
しかし、そもそも市販車のBoP調整を投げている公式、多分何もしないんだろうなぁ・・・。