【将棋】 聖の青春(映画)

一人の人間の人生を、生死を、現実を描いた原作に比べ、かなり話が軽くなったなぁという印象です。
話が軽くなったというより、描いているものが薄くなったと言うべきでしょうか。魂を描いた原作に比べ、中途半端に脚色し見栄えを良くしようとした結果、作り話っぽくなってしまったというか。


将棋ファンとして将棋を扱った映画が作られたことは嬉しいですし、端々に実際の棋士が出演していることにニヤリとはしましたが、そういうところを楽しむお話ではなかったはず。
羽生の演技が羽生に似てるかどうかとか、そこに注目するような映画になって欲しくなかった。
エピソードを集め、話の中に組み込んだ作りも、実際のエピソードとは異なる状態で入れているため入れるために入れたという印象が拭えず。
全体的に、役者に注目するのか、あくまで聖に関するお話に注目するのかで感想が違いそうな映画です。


村山が車の中で吐くシーンは佐藤康光とのエピソードで、新車なのに!ってとこまでそのエピソードを元にしてますが、知ってるからこそ改変して形だけ再現していることに「それただ入れたでしょ?」という感想でした。
また、羽生との最後の戦いは実際はあれはNHK杯決勝であり、タイトル戦ではありません。(棋譜自体は完全に本物です)



ただ、この辺は将棋界に詳しいファンだからこそ目につく部分かもしれず、そういう意味では将棋ファンでない方、見る将から入ったようなライトなファンにとっては印象が違うのかもしれません。



やっぱり現実は小説より感動的なり、現実をドキュメンタリー的に描いたお話は、下手に話の見栄えを良くするための脚色を入れた話よりも感動を誘うなって思った映画でした。