カッコーの巣の上で
観終わった時は「???」と疑問符が頭に浮かんでいましたが、その後ネットで解説を調べてみると、これ、昔の精神病院で行われていた「非人道的扱い、非人道的治療」を告発するという社会テーマを持った映画だったのですね。
ロボトミーというのは初めて知りました。というか鑑賞中は知らなかったので何が起きたのか分かってなかったのですが、知って吐き気を催すような「治療」でした。
知らない人に簡単に説明すると、「手に負えない精神障害の人は脳の一部を削って廃人化させれば治るよね」という治療です。
一見穿ったような表現に見えますが、実際このため、過去に反対運動が起こって現在では禁止されている治療法です。
また、昔は電気ショックを与えることが本当に治療だと信じられていて、そんなことはないと分かった後も「治療」であることをいいことに精神病の人が病院の扱いに反抗したときなどに「懲罰」として堂々と電気ショックが使われ続けたという経緯も知りました。(これも今ではありません)
昔は精神障害の人は「排除対象」「断絶対象」であったという歴史的背景もあり、病院での治療という「正当性」の名のもとにかなりひどい扱いを受けていたようです。
面白かった映画、ではなく、社会勉強になった映画。