この世界の片隅に
空気感を楽しむような映画でした。
地元広島を題材にしたこの映画、地元民としても、そして(艦これが発端ながらも)第二次世界大戦にそれなりの興味を持ち勉強をした身としても、見てみたいと思っていました。
戦争の時代を扱った映画ですが、戦争映画ではありません。
この映画は大きな見どころもなければ、そもそものストーリーもほとんどないようなものです。
ただただ、戦争の時代の人間を描いた作品。
軍艦は出てきますが背景として出てくるだけで戦争の戦い部分の描写もなければ(間接的にもしくは空襲的に被害を受けるシーンはありますが)反戦的なメッセージもありません。
しかしこうして戦時下における主人公の生きる姿を描くだけで十分に戦争の時代を描ける、そういう作品でした。
面白かったかと言ったら「おもしれー!」的な感想が出る作品ではありません。
人に勧めるかと言われれば全く勧めません。
それでも自分としては見てよかったと思える作品
ちなみに封切り後しばらく経った今日の鑑賞ですら、最初見ようと思った時間の席は2席のみを残して満席。予定を変更して3時間先の次の放映で観ました。
そしてこの作品らしいと思ったところは、観客に年配の方がかなり多かったこと。戦争を真面目に描いた作品なら、アニメだからという偏見的フィルターではなく、こういう全くアニメに馴染みのない(ジブリですら見てなさそうな)人たちですら呼び込めるのですね。
この映画は十分なヒットをしているようで、色んな意味で嬉しかったです。