【サッカー】 日本vsイラク

ハリルジャパンのやり方が一番上手くいった場合の形がこれ、という試合。
相手が弱かったから上手くいった系でもなく、内容に関してはほぼ満点でしょう。

ハリルになってから数ヶ月だけどまだこれが3試合目、という、本番(W杯予選)までほとんど試合をする機会がなかった日本代表。
数カ月前の1、2試合目は、だから新しくやろうとしている、求められる形を選手側が試行錯誤しているという印象で、それをそこから全く試合がないのにどう完成度を上げてくるのかが注目していたポイントでした。


結論としては、やっぱり日本代表って上手いんだなと。
よくここまで完成度を上げてきたなというでき。


攻撃時の速さももちろんですが、守備時にボールに寄せる速さも目立ちます。
いわゆるプレスとはちょっと違って、ともかく走って寄せて足を出す、どちらかというと泥臭い部分の頑張りが今の特徴。
スペインリーグを観ている時のような綺麗でシステマティックな、おしゃれなプレッシングは日本にはできません。その中で、自分たちのできることを精一杯やるという意味では、このやり方は正解だと思います。


また、前線からこぼれたボールをことごとくボランチが拾っていたのは、個人の頑張りというよりチームのシステムが上手くいっている証拠でしょう。


個人的評価としては今日のMVPは柴崎。
遠藤の後継者に今後なっていける期待を、今日のプレーを見て持ちました。

宇佐美と香川

で、ともかく良かった今日の試合ですが、だからこそこの二人について、厳しめの目で見ます。


宇佐美は、今日の試合ではっきりと自分の特徴、違いを表していました。
また日本に今まで少なかったタイプのプレイヤー(ドリブラー)であり、早いパス回しが中心の今の日本の中でいいアクセントをもたらしていました。(彼が引きつけたからこそ他の選手のスペースが空く、というプレーが何度も)


その最先端のプレー内容に関しては問題ないですが、気になるのは彼の今日の働きが日本代表の中で、90分フルでできるのかということ。
普段守備を「サボる」からこそ攻撃時に体力を残して「目立つ」プレーができる、という面がある宇佐美、しかし日本代表ではいかな宇佐美といえども特別扱いされる立場でなく、守備面で貢献した上で攻撃面のクオリティを落とさないことがどこまでできるか。
特に今の日本代表はかなり攻撃の選手が「走る」ので、攻撃するだけでもかなり体力を消耗します。


目立つ部分のプレーがかっこいいかどうかだけでは判断できないのが宇佐美です。



香川に関しては、悪くはないけどすごくもない、という状態がもう一年近く続いています。
最初はスランプ、不調とささやかれていましたが、もうこれが今の香川の実力とすべきでしょう。
彼はポジション取りとか動き自体はいいのですが、ラストプレー(チームとしてのラストプレーではなく、彼個人のラストプレー)の精度がことごとく低い。いいプレーをして「お!」と思った直後には「あー・・・」となるのが今の香川。


決してサボっているわけではなく、また見えない部分での活躍も多いですが、今までは「サイドハーフだから」「インサイドハーフだから」というエクスキューズがあった中でずっと望んでいたトップ下のポジションを今は得ているので、だったらだからこその仕事も見せてもらいたい。
日本のトップ下は日本のエースが入る最も競争率と求められるものが高いポジションなので、そこを勝ち得た選手のプレーが「悪くない」では不満なのです。


彼に関しては、今の彼、を踏まえて、あまりゴールは望んでいません。
むしろ、ドルトムントでもそこが一番輝いていた部分ですが、ストライカーへのスルーパスキラーパスの部分でスペシャリストを発揮してもらいたい。
そこを望んでみます。