電王戦

新しい形に変えることに関しては賛成なので、その方法論の試行錯誤として今回の形で一旦やってみるのはいいと思います。
立候補制も棋戦の特色を考えると妥当ですし棋士の精神的負担も減るのでいい気がします。
(ただし、これまでのように立候補者の中から選抜、ではなく立候補者全員が参加するので、つまり参加しなかった人は明確に立候補しなかった人だとバレてしまうとういことでもあり、断りづらい面はあるかもしれません)
また、今までの電王戦も当然対局料は出ていたと思いますが、あくまで一つの公式棋戦としたことで賞金なども含め「コンピュータと戦うため」ではなくプロ棋士本来の本文である「お金を得るため」に対局し、勝つという構造になっているので、棋士側のモチベーションも上がりやすいでしょう。


最後の人間対コンピュータも二番勝負にしたのが妙手で、どっちが上か白黒をつけるため、ではなく、あくまで一つの力比べ勝負という側面を強くしています。
また、記者会見で川上会長が言っていた「勝ちか負けかの二択ではなく、勝ちか負けか引き分けの三択」の形で決着する勝負があってもいいという意見にはなるほどと納得しました。


ただ気になったのは、これまでの電王戦は対コンピュータであることを全面に出してそれに向いた人を選び、それ専用の勉強をして臨むことを想定してルール自体を作っていたと思うのですが、今回の形だと人間同士の対局で一番になる人がコンピュータと戦うという形になるので、コンピュータ将棋に強い、研究している人が対戦するという形にならず、対局者の決定方法としてどうなんだろうと思いました。(西尾六段などコンピュータ将棋に詳しい人が人間に負けることで落とされる)
とは言え代表一人を決める以上、それは仕方ないのかなとも思います。もっといい方法は思いつかない。