電王戦FINAL 追記

追記という程でもないんですが、今回行われなかったMVP、もしあったら自分なら誰に入れたかという話。
結論を先に言うと、山本一成さんを選びますね。

棋士

棋士側で選ぶと、永瀬六段です。
彼に関してはキャラが好き(笑)というのもあるんですが、最もプロらしさを、いろんな側面で発揮した人だから。
将棋に対する真剣さ、というか将棋一筋さが一つ目。
勝負に対する辛さ、極限まで勝率を求める姿勢が二つ目。
そしてその上で、3手目77角不成のようなプロとして眉をひそめられる可能性のあることを避け、成っても自分の勝ちの局面を作り上げてからやっとそれを実行した配慮とプライド。
どれもプロとして尊敬できるものでした。


その上で、将棋としても、今回唯一「コンピュータに完全に力勝ちした棋士」であったこともあります。
第5局のハメ手順はもちろん、第1局は斎藤五段の完勝ではありますが、不利な手順に飛び込んでしまって最後まで力を発揮しきれなかったapery、という側面もありました。
しかし永瀬六段の将棋はむしろ相手の得意型になり、実際人間が苦しい(ように見える)形勢になりました。
そこからコンピュータの水平線効果とかおかしな手ではなく、力で勝ちにしたのがすごい。
コンピュータに対して読み勝った人(コンピュータが自分が評価値プラスと判断した局面から、マイナスに反省させた人)は、彼はプロ棋士を含めてもかなり数少ない存在であったと思います。


というわけで棋士側は永瀬六段。

コンピュータ将棋側

キャラの好きさで言うと西海枝さんもかなりのものがありますが(笑)、やはり山本さん。
山本さんもキャラも好きですが(笑)、彼は電王戦という舞台において長年コンピュータ将棋側を引っ張ってきた人間であるからです。
そもそも今回出場したソフトの中で過去にも出場したことがあるソフトがponanza以外にはやねうら王だけという、コンピュータ将棋界は開発を辞める人、開発はやめなくとも電王戦出場を辞める人が結構多い業界のようです。
その中で、表への露出を積極的に行い、自身のキャラもあり人気もあり、彼のおかげで電王戦のコンピュータ将棋サイドへの心象は大きく良くなったし、またこれだけの舞台になったと思います。
さらに、彼はプロ棋士への敬意を強く持っているのも、今回の電王戦のコンセプトからすると非常に良い点。電王戦は仲悪くなるために真剣勝負したのではないのです。これから仲良くやっていく形を模索するために真剣勝負した。そのことを一番理解している人物だと思うし、かといって過剰に棋士側に媚びるわけではなく勝ちたい姿勢は見せるしponanzaは強いよ!とは積極的に主張する。この辺のバランス感覚、というか謙虚さと素直さの同居がいい。
その上でponanzaが強いこともプラスポイント。個人的には最強はやっぱりponanzaなのではないかと思ってます。


というわけでコンピュータ将棋側は山本さん。


で、電王戦というイベントに対する貢献度、という意味で、トータルでは山本一成さんが、私の中ではMVPです。