【サッカー】 通訳日記

通訳日記 ザックジャパン1397日の記録 (Sports Graphic Number PLUS)
名著。
本屋で手に取るとその厚さに気後れするかもしれませんが、そんな心配はなく、サッカーファン、特に日本代表ファンなら興味を持って読みふけってしまう内容。
生の、ザッケローニ監督が代表に対し伝えてきたことの記録。通訳なんだからどんな話も全て聞いている立場であることもありますが、本当に、ザックが何がしたくて、何をやろうとして、何を苦労していたのかが赤裸々に綴られています。
と言っても、それについて「暑苦しく熱弁」されているわけではなく、通訳という立場らしく、あくまで淡々と語られている。だからこそ心に訴えかけてくる。
良い文章を書こうとか、劇的なシーンを書こうとか、そういうことで書かれているわけではない内容。小説ではありません。ドキュメンタリーでもありません。あくまで通訳日記です。


これを読んで、代表を率いるということは、簡単なことではないんだなぁと思いました。
監督がいろいろ考え、導入したシステム、戦い方も、選手が当然のように受け入れてくれるとは限らない。代表選手はみんなプロ意識が高い人たちかというと、そうとも限らないこともある。
普段完成された形だけを見ている私たちですが、完成させるにはただいいシステムを考案する、だけでは上手くいかないんだなぁと認識させられます。
実際に試合をして、上手くいってないところを指摘しても、次の試合でも改善されておらず上手くいかない、そんなことの繰り返しの4年間。


それでも、ザックジャパンは、歴代の中でもかなり監督と選手の間に信頼関係があった代表なんだなぁと思わされます。
キャプテンの長谷部とザックのリスペクトのしあいは有名でしたが、一番「ぶつかった」とされる本田との関係も、非常にポジティブな「ぶつかり」だったようです。
本田としては自分自身の考えも持ち、それをきちんと主張していく、しかしそれはプロとしての意識からのものであって、俺の思い通りにしろということではない。
文章からは、ちゃんとぶつからせてくれ、その上で相手からもしっかりと意見を言ってもらえたことなどに、本田が心の底から感謝していることが伝わってきます。


ザッケローニ監督、4年間、ありがとうございました。