何人かの方から、うちのレースマナー基準(→レースマナー)は譲り合いの楽しむこと重視でガチではない、という認識を受けるのですが、それについて。
私はうちの基準がガチではないとは思っていません。
楽しむこと重視とすら思っていません。勝利至上主義ではないという意味では勝敗を重視していませんが、レースマナーの項で書いた通り、「お互いが納得して走れる」ことを重視しているだけでレース自体はガチです。
ガチであること
どうもその人達の話を聞くに、「相手を妨害したり引かせたり損を押し付けたりといった強引な行為を自粛しなければいけないレースはガチではない」と認識されているようです。
多分その人たちの考えはレースマナーの項で触れたサッカーの例で例えると、「ファールで相手を止めたり、時にはイエローカードも辞さないプレイで戦わないとガチではない」という考えなんだと思います。
それはそれで一つの考え方ですが、それが唯一のガチでの戦い方ではありません。
レースマナーの基準において大事なことは、どの基準が正しいかではなく、一緒に集まってみんなで走る時に、共通の認識で走ることです。
言い換えれば、共通の認識で走ってさえいれば、どの基準でもガチでの勝負になり得ます。
サッカーでも、前述の基準も一つの基準で間違っておらず、そこで行われる勝負はガチ勝負でしょう。
しかし、「そういうのはなしで、お互いファールはせずにスポーツマンシップに則った範囲で勝負しようぜ」という基準で戦っても、そこで行われる勝負はやはりガチなのです。
まずいのは、一方のチームはイエローカード上等という考えで戦っており、もう一方はスポーツマンシップに則って戦っているという、お互いの基準が違う状態。これだとガチにはなれません。
基準の違い
うちの基準は、私自身が自分の部屋だけでなくいろんな部屋に常連として通い、また野良も多くしてきたことにより、オンで一般的に共通認識とされる基準、として構築されています。
こう書くとうちの基準がオンの基準、と考えていると取られる人も出そうですが、そういうことではないです。
オンの部屋は、それぞれの部屋がそれぞれの基準で運営されていいです。そこに集まる人がいる以上。
「イエローカード上等部屋」もその基準に賛同してその基準同士で走り合いたい人たちが集まっているなら問題ない部屋です。
ただ、その基準を他の部屋にも持っていった時に通用するか、が違うだけです。うちの基準は多くの部屋では受け入れてもらえる基準(であると、経験上私は思っている)だというだけ。
うちの基準ではガチで走れないのか
恐らく、「イエローカード上等ルール」でないとガチでないと感じる方は、「スポーツマンシップルール」でガチに戦ったことがないのではないかと思います。(あるならそう感じないはずです)
私はかつてPP600RS富士を本レギュとして、仲間と走り合ってた日々がありました。
そしてそこで一番腕の近かったライバルにneoさんという人がいて、彼とはお互い初心者から成長していったにもかかわらず、お互いの3Lapのベストタイムが1秒以上離れたことがないという力関係でした。
その彼と、当時2回ほど、タイマンで100本勝負をしたことがあります。(ちなみに2回計で101勝98敗1分という成績でした)
この時のお互いの基準は、
- 優先権がある時は堂々と主張してインを閉める
- 並んでいる時は相手にラインを残すが、最小限しか残さない
- その最小限で通せないならお前が悪い
- 不必要な譲り合いはなく、真剣に、勝ち負けを求め合う勝負
というものでした。
お互い長い間一緒に走ってきただけに基準に対して共通認識があり、また強い信頼があったため、相手の妨害をする、なんてことをしなくても十分すぎるほどガチで勝負できました。
ライン残しについても、インクリップではアウト側の人がイン側にぎりぎり一本分しか残さないところまで寄せる、アウトクリップではその逆、その一本分しかない幅で、でも「お前なら通せるよな? 通せなかったらお前の責任な」というレベルの戦い。
自慢と取られるならそう取られてもいいという覚悟で書きますが、私より速いある人(国内1桁ランカー)にガチでやりあう勝負をお願いして戦った時、このneoさんとの基準でのバトルを同じように仕掛けてみたら、残念ながら受け止めてもらうことができませんでした。
そのくらい限界領域な戦いをした自信が、自分にはあります。
私より速い人はたくさんいます。
私より走りこんでいる人もたくさんいます。
しかし、200本もタイマン勝負して結果が101勝98敗1分になるほど腕が近い人とたくさん真剣勝負した経験、では、私はかなり自信があります。(100本勝負を2回したというだけで、その人とは何千レースも一緒に戦ってきました)
少なくともこのレベルでやりあってる人は周りに知らない。(幸か不幸か速いだけに全く同じ腕の人と走る機会が少ないというか) 見かけても200本も勝負すれば何十本レベルで差はつきそうな「ライバル同士」だけです。
上で挙げたneoさんとのガチ基準は、オンで誰とでも実現できるものではないとは思います。だから普段は私もマージン多めでやっています。
しかし自分としてはその経験と感覚があるため、うちの基準がガチで勝負できないものであるとは思ってないんですよね。
お互いが納得して走れるということ
最初に書いた通り、うちの基準のベースは「お互いが納得して走れる」です。
よく、抜いた方は満足してるけど抜かれた方は不満を感じている、というオーバーテイクがあります。それはお互いが納得していません。
レースマナーの項で書いた基準のうちに、シケインなどの切り返しコーナーでは、最初インを取った人は次はアウトを取る(左の人は「左車線」で走り続ける)というのがありますが、あれは「俺は一つ目アウト、二つ目インのラインで走るよ。お前はその逆で走って、それでどっちが速く抜けるか勝負だ!」と勝負しているわけで、そこで行われる勝負は純粋にガチですが、しかしそれでどっちが前に出ても納得するでしょう。「俺は二つ目でアウトを走らされたから不満だ!」という人がいたらそれはただの我侭な人です(笑)
しかし、極端な話デスレースをして、相手を殺して前に出たとしても、殺された方は不満には感じないと思います。俺もやり返したる!と思うのではないでしょうか(笑)
つまりこの「お互いが納得して走れる」を実現するのに大事なことは、「お互いが共通の認識で走る」ことです。
まとめ
お互いが納得できるための制約がお互いにかかっている中で、その範囲内で最大限に速く走り合い、速さを競う、それは十分すぎるほどのガチ勝負です。
楽しさとガチさは両立できます。フェアさとガチさも両立できます。
そういう真剣勝負を、私の部屋ではしていきたいですね。