【GT6】 ハンコンとパッド
GTの永遠のテーマ?である、これ。
フレからもこれについての話や相談はよく受けるので、書いてみようと思います。
※クソ長い話なので、興味ある方だけ
長いので題目を先に書いておきます。
- 前提
- どっちが速いのか
- TTの上位はハンコンばかりなのはなぜか
- 俺のタイムがここまでなのは、パッドの限界ではないのか
- 全く同じなのか
- ハンコンの長所
- パッドの長所
- どちらが「得」なのか
- ハンコンに変えたら速くなるのか
- ハンコンを続けられるか
- ハンコンのススメ
前提
■私自身について
最初に、私自身はGTを始めた時からハンコンで走ってた人間で、パッドで走った経験はほとんどありません。
私がパッドで本気で走りこんだのは、ハンコンが故障した今年4月にそれでもガチで走る必要があるイベントがあった時だけです。(夜露死苦のPP450SS富士)
ただし、その時出せたタイムは、普段からパッドで走ってる自分に力が近いフレたちのタイムを上回るものでした。
だからその程度にはパッドで走れた上で、という前提は、信ぴょう性のため置かせてください。
■話の根拠について
私個人の話だと聞いてる方も信ぴょう性が低く感じると思うので、私の回りにいるパッドで鬼速い人達の話を多く交えながら書こうと思います。
ただし、最終的にはここで書くことは私個人の責任範囲での見解になります。
もし書かれている内容に対し納得できない、同意できない場合は、あなたの考えの方が正しいです。そのままパッドのことをよく知らない人間の話として流してしまってください。
あと、引用した方、「ちげーよ! そんなこと言ってねーよ!」とかあったらごめんなさいw
どっちが速いのか
まあこのテーマで誰もが「あの話か」と思うのはこれでしょう。
パッドとハンコンどっちが速いのか。
いや、正確にはそう疑問を持つ人は少ないです。一般的に多いのは「ハンコンはパッドより速いのか」。
結論を先に言います。
どちらも速さは変わらない、です。
これについては私に言われても全く信用できないと思うので、フレの話を紹介します。
マイフレのdeeさんはTTの日本トップランカー(一桁内当たり前)な方ですが、パッドとハンコンの両刀使いの方です。
そのdeeさん自身がそう発言しています。
発言してるだけでなく、実際に成果として出してみた結果がそうだそうです。あるTTでハンコンでアタックして国内1位で、パッドでもアタックしてみたら同TTで2位も取れたそうです。(タイムはほぼ同じ)
TTの上位はハンコンばかりなのはなぜか
ハンコンの方がパッドより速い、と考えている方(ほとんどの場合はハンコンで走ったことがないパッドの方です)が根強く根拠にしているのが、TTの上位には圧倒的にハンコン使用者が多いこと。
これには、面白い理由があります。
TTで上位にに入るくらいGTにハマってる人は、元々ハンコンくらい買うほどのヘビープレイヤーである、ということです。
単にトップになれるほどの腕を持ってる人の中で、ハンコンを持っている方が人口的に多い、というだけの理由なんですね。
サッカーの日本代表には、右利きの人が多いのは知ってますか?
それは右利きの方がサッカーでは有利――だからではなく、単に右利きの人口が多いからなんですね。
(実際は現代サッカーでは左利きはコートの左半分ポジションではかなり「有利」であり需要が高かったりします)
それと同じ理屈です。
俺のタイムがここまでなのは、パッドの限界ではないのか
この手の考えを持ってる人は、残念ながらオンで非常に多いです。
かつて知り合った方(フレではないです)にも、とてもじゃないけど「速い」とは言えない程度の走りなのに、「俺が遅いのはパッドだから」「パッドだとこれが限界」と自分の腕には改善の余地がなくデバイスの限界であることを主張しまくる人がいました。
その人達には明快な言葉があります。
「samさんのタイム抜いてからそれを言え」
自分の周りにパッドで鬼速いフレがたくさんいる私から見て、パッドの限界で走ってる人など、一人もいないです。
パッドではハンコンのタイムにはどうやっても及ばない、とも全く思いません。
全く同じなのか
しかし、両デバイスが、では全く同じなのかと言われれば、NOです。
それぞれにはそれぞれの特徴、長所短所があり、そのため走らせ方は変わってきます。
上の速さが同じ、は、それぞれの長所を活かすように走らせた場合、最終的に出るタイムは変わらない、ということです。
ハンコンとパッドでタイムが変わる人は、その長所を活かせてない(特徴に対応できていない)か、もしくは単にどちらかにはまだ慣れが足りないだけかなと、私としては思います。
ハンコンの長所
これについては完全に私見です。
- 細かい制御がしやすい
最も言えるのが、立ち上がりのアクセルワークのしやすさです。
パッドの方はこれが操作上難しいので連打で対応するのは有名な話(笑)
- ステアを切り過ぎることができる
本来は切り過ぎはマイナスでしかないのですが、ある特殊なケースにおいては切り過ぎたいことがあります。
パッドは切り角を自動的に適正にする補正機能があるのですが、だからこそ「適正」でない切り過ぎが、最大まできのこ倒してもできないという面があります。
ハンコンはそれができるのが長所。
- フォースフィードバックが詳細
個人的にはこれは専売特許になってると思う長所。
現在のグリップ状況、姿勢の具合などがここから情報を得られるのは、これを利用している人からすればなくなったらどうすればいいの?ってくらい重要な部分です。
- 手と足両方が使える
これは慣れてしまえば解決する問題ではありますが、パッドの人は指だけでステア、アクセル、ブレーキ、シフト、その他をやらなければいけないので、かなり指が忙しいという面はあります。
その点ハンコンはアクセル、ブレーキは足を使えるので「混雑」しにくい。
また、アクセルブレーキを右スティックに対応させている方は、物理的に左足ブレーキができない(アクセルとブレーキを同時に踏めない)という問題があります。
パッドの長所
これも完全に私見です。
- ステア、アクセルに補正が入っている
最も有名なのがこれ。
特にステアの補正が強力で、たいていのコーナーでは最大にきのこを倒すだけで勝手に適正角になってくれます。
旋回中に適正角が変わる場合も、自動的に追随。
通常、コーナーを曲がる時はステア、アクセルの両方を適正にする必要があります。
しかしパッドの場合はステアは自動的に適正にしてくれるのでアクセルだけ適正にすればOK。
コンピュータではなく人間がやることなので、二つの混合を最適値にするのと、一つを最適値にするのとでは、後者の方が簡単であり、だからこそ後者の方が精度高く行うことができます。
このため、私も富士の100Rに関してだけは、あれだけ走りこんでるハンコンよりも、パッドの方が速かったです。
- スピンをある程度抑制してくれる
パッドにはスピンをある程度抑制する補正もついていて、カウンターも(補正してくれるので)やりやすいということも含め、パッドはスピンしにくいです。
ドリフトをするならパッドの方が圧倒的にやりやすい、というのも有名な話。
このため、パッドの人には結構、強引に流してあとは無理やり補正でいうこと聞かせる、というタイプの走り方の方がいます。
パッドの頃は強気のドリドリ走法だった人が、ハンコンになった途端おとなしい走り方に変わるのも、これも有名な話(笑)
余談として、私はDFGTを使っていた頃、スピンしかけてタコ踊り状態になった時に立て直せた経験はゼロでした。
これを「お前が下手だからだろ」と思う方は、自分でも挑戦してみてください(笑)
- コーナー進入で強めに飛び込める
ステアの自動補正とスピン抑制機能の組み合わせにより、コーナー進入で割と強引気味に突っ込みながら曲げることがしやすいです。
ドリフト制御と同じく、オーバースピード気味なコーナー進入で破綻させずつじつまを合わせるのは本来相当繊細で難しいことなのですが、それが実現しやすい。
どちらが「得」なのか
上で挙げたそれぞれの長所短所は、言い換えると「自前で細かく制御できるけど自己責任」か「自動的に最適化してくれるけどそれをあえて超えることができない」かの二択です。
これはTCSやABSを例に挙げるといいでしょう。
TCSをオフにすると自分でアクセルワークを細かく制御できます。しかしその分失敗してスピンすることも増えますし、逆にそれが怖くて十分に踏めないケースも出てきます。
あなたは、自動制御のTCSより正確なアクセルワークを、自前でできますか?
TCSくらいなら「できるよ。俺切ってるし」と自信満々に答える人もいるでしょうが、ABSでも同じですか?
TTでABSカットした方が速く走れるからカットしてるという人はほぼ見たことがありません。
プロの世界ではABSなしの方が速いというレベルの人もいるようですが、そのプロの世界でも雨の場合はABSは圧倒的アドバンテージとなるそうです。
ハンコンに変えたら速くなるのか
ハンコンはパッドより速いのか、と同じくらいよく来る質問が、ハンコンに変えたら速くなるのか、です。
これについては、人による、と答えています。
人による、と答えている理由は、その人の走らせ方によります。
普段パッドで、強気のドリドリ走法、繊細な操作ではなく補正を最大限に活かした強引な走らせ方をしている方は、残念ながらハンコンにしたら遅くなり、また挫折するでしょう。
しかしパッドでも非常に繊細な操作で運転している方は、ハンコンにすると速くなる可能性があります。
(ハンコンの方が速い、という話ではなく、パッドの補正(=長所)に頼らない走り方をしているなら、ハンコンの長所を活かせる走り方をすればタイムが上がる可能性がある、という話です)
また、最終的にはハンコンにすることで速くなる(orパッドと同じタイムになる)としても、それまでの道程は長いと思った方がいいです。
samさん(samurai_405さん)は日本一、どころか世界でも有名なパッド最速の人ですが、最近はハンコンでも走ってます。
しかし、もう数ヶ月以上使ってるにもかかわらず、ここ一番でホントに速いタイムを出す必要がある時は、パッドの方が速いようです。
(注:コースやセクターによってハンコンの方が速い場所はあるようです。本人談)
もちろん使ってるハンコンがGTFPだということもありますし、これから慣れていけば最終的には同じタイムになると思いますが、彼ほどの腕前を持つ人が数ヶ月使い続けてもパッドのタイムを超えられないわけで、ハンコン買ってきたらすぐタイム上がっちゃった、という夢物語は、描かない方が身のためです(笑)
と脅してばかりでもアレなので朗報も(笑)
ハンコンを買うと速くなる可能性を、オンである人から聞いてなるほどと思いました。
ハンコン買う→走るのが楽しくなる→その分走りこむようになる→タイム上がる
パッドで走りこんでもまだまだタイム向上の余地があるレベルの人なら、ハンコン買うことで「モチベーションの向上」を手に入れることができ、間接的に速くなると。なるほどです。
ハンコンを続けられるか
上でも少し触れましたが、ハンコンと切っても切れない関係なのが「挫折」です。
正確には、私のように最初からハンコンで走ってる人は挫折しにくいかもしれません。
危険なのが、パッドからハンコンに換える人。
挫折しやすい理由は、一つは一時的にかつてパッドで出せていたタイムを下回るタイムしか出せなくなることです。
「ホントは1'50で走れるのにー!」と思いながら1'52とかでオンで負かされ続けると、なかなか精神的には辛いはずです。
二つ目は、前述のとおりハンコンは自己責任で難しいため、安定性がガタ落ちすることです。
フレでハンコンに換えた人にも、ベストタイムは出せても、3Lapのレースで無事故完走することが滅多にできず挫折していった人がいます。
私も、かつて自分の周りでハンコン使ってるのは私だけだった時期、周りから「aonoさんは安定性が悪く、スピンした時の立て直しが下手だよね」と評価されていたことがあります。
後日その人たちがハンコンを手に入れた時の反応は「・・・・・・あの時はごめん」でした(笑)
三つ目は、パッドの頃培った「速い走らせ方」が通用しなくなり、一からの構築しなおしになることです。
パッドでは速いけどハンコンでは遅い人、は、慣れの問題とは別に、結構います。
私の周りで元パッド使いからハンコンに換えたフレは知ってる範囲で7人います(そのことについて直接状況を見ていたか、詳しく話を聞けた人のみカウント)が、4人は挫折しパッドに戻りました。2人は未だパッドの方が速いです。2人だけ、ハンコンでもパッドと同じ速さまで持ち上げきれた人がいました。